空き家活用の事例 不動産を残された方の事例05

不動産を残された方の活用事例

実家で家業を営んでいたが両親の他界により工場を閉鎖。借地権付きの建物をどうにかしたい

空き家でのお悩み
●空き家を売却したい
●借地権を何とかしたい
  • 所有者ご本人
  • 建物:工場 兼 作業場(借地権付き)
  • 建物面積:1階:61.81㎡ 2階:61.81㎡
  • 築年:築56年
空き家活用サポートメンバー
  • 司法書士
  • 土地家屋調査士
  • 測量士
  • 空き家相談士
  • 宅地建物取引士
  • 不動産会社
  • 自治体

空き家活用前の背景

■父から寝具製造事業と工場を相続したが、将来を見据え廃業を決意

約4年前に父が他界し、生前営んでいた寝具製造工場や本家となる隣接戸建、ほか資産の整理のため兄妹間で遺産分割協議を実施。
ご相談者様は次男で、父の寝具製造の事業と工場(借地権付き建物)を相続されました。創業から約30年以上続けていた工場であり、歴史も想いも詰まった立派な財産でした。
父の遺志を受け継ぎ、事業を継続するべく残された従業員の方々と日々奮闘。長い年月が経ち、建物も設備も老朽化が進んでいながらも、騙しだまし頑張っていました。ところが、業績は下降線をたどることに。消費者の動向は以前の良いものを永く使うという時代から、安価なものを気軽に買い替えるという考えが主流になり、企業規模のあるメーカーの安価モデルの量産化が進むことで、町工場の作る製品の競争力は衰えていきました。
そんな中、従業員も最後まで頑張ってくれたが、将来を見据え各方面へ大きな影響を及ぼす前に廃業を決意されました。その後は、近くのマンションから工場を月に数回訪れては少しずつ片づけをされていました。

空き家ゼロ推進協議会からのご提案

■工場(建物)の下には3筆の土地が。自分のほかに2人の地主がいることが判明

ご相談者様とは空き家ゼロ推進協議会のセミナーにてお会いしたのがきっかけでした。
何度か売却を考えて不動産会社へ相談するも、金額の提案はおろか具体的な進め方も十分にアドバイスをもらえていませんでした。
当協議会とサポートメンバーにて、まず、権利関係と敷地について調査を実施。
すると、当該工場の下には3筆の土地があり、それぞれに跨って建築されていることが判明。1つは自身の所有地、ほか2つが借地(別々の地主)ということがわかり、地主は隣接するアパートの所有者と地元の不動産業者が保有していました。
一方の借地権更新期限が約1年後に迫っていて、更新前までには何とかするよう段取りを組むことに。ご相談者様が底地を買い上げて所有権化することも検討するが、ご相談者様が以前、地主からかなりの金額を提示された経験があることから、サポートメンバーが代理人として地主の意向を確認させていただきました。
結果は、地主両名とも「借地権の購入や底地の売却は考えていない。借地の継続を希望する。」ということで、その背景には地主両名は借地権を買い上げて所有権としても、単独では建築基準法を満たす接道要件が満たされないため直ぐには有効活用ができないということがありました。つまり、このまま安定的に地代が入った方が良いとの考えでした。

■子どもにまで工場の地代を払わせるわけにはいかないと、建物を解体し借地権を返還

これではご相談者様は永続的に廃業した工場の地代を払い続けなければなりません。ご自身の年齢を考えると、子どもの代まで地代を残すわけにはいかない。将来のことを考えると多少無理をしてでも処分をしたいとの希望を汲み、思い切って借地の返還を提案。結果的には建物を解体し、滅失させることで借地権を返還するという判断をされました。
借地を無償返還することを地主両名へ通知し、建物を解体。解体時には、所有権の土地上空にあった裏手の家屋に通ずる電力線についても移設をさせました。
その後、サポートメンバーである土地家屋調査士が、所有権部分について近隣所有者の立会いを経て境界と面積を確定。すぐにでも売り出せる状態に。最終的には地主の1名へ所有権部分を売却することで解決。地主も接道要件を満たせるようになることから、即断で買い取ってくれました。

今回は「3者間の意向の取りまとめ」「解体費用の助成金活用(不燃化特区の建物除去事業により、ほぼゼロ円)」「借地権返還の決断」により解決に至った特別な事案です。
こうして現金化をするとともに将来に亘っての支出を無くすことができ、心理的不安を解消することができました。

空き家活用サポートメンバー

司法書士
所有権移転、抵当権設定登記
土地家屋調査士
額縁分筆、境界確定
測量士
測量
空き家相談士
権利整理、全体計画、工程管理
宅地建物取引士
契約書作成、重量事項説明
不動産会社
各種調査、価格査定、買取り
自治体
助成金

ご相談者の声や解決後のお話しなど

■悩みや不安も解消され、1年以上もサポートをしてくれたことに感謝

最初は信用していいものかと悩んだときもありましたが、お付合いが続くにつれその不安は徐々に解消されました。結果的には、1年以上に亘ってサポートしてくれました。本当に一人で悩んでいたのが馬鹿らしくなりました。
協議会にはぜひこの活動を続けて欲しいです。私にできることがあったら告知のひとつでも協力するつもりです。

空き家をお持ちの方で
「どこに相談したらいいかわからない」「どんな活用ができるかわからない」など
お悩みの方はぜひお問い合わせください。
私たち空き家ゼロ推進協議会と一緒に、空き家の活用について考え、解決していきましょう。

メールでのお問い合わせ
空き家の活用についてご相談はこちらからどうぞ
お電話でのお問い合わせ
お電話でもお気軽にどうぞ0120-918-936
受付:月~金 9時~18時まで