こんなときどうする?空き家対処法 空き家を共有で相続


空き家を兄弟などの相続人で相続した場合、各自が持ち分で共有することになる。

民法では修繕をしようにも共有者の過半数の同意が売却したり賃貸したりするには全員の同意が必要だ。
空き家が共有となることは、処分活躍策を巡って共有者の間で意見がわれ、
結論が先送りになっている間に空き家の市場価値が下がると言う悪循環に陥りかねない。

相続人が複数いる場合には遺産分割協議で話し合い、戸建ての土地・建物を相続する人は単独としたうえで、他の相続人は共有持ち分相当の現金を受け取るのが無難だろう。
もし、空き家を共有している場合は、共有者間で隣地に売却する、1年以内に売れなければ取り壊すなど鉄則を事前に決めることが望ましい。
空き家を相続した所有者が行方不明である場合はより問題が深刻だ。
空き家を売却して売却益を持ち分に従て分配する場合を考えてみよう。
家庭裁判所で遺産分割の調停・審判をするのが一般的だが行方不明者に対しては弁護士や司法書士を不正者財産管理人として選任し調停・審判に参加してもらうことになる。

しかし、調停・審判にはそもそも相当な時間がかかり、行方不明者関連の対応が入ると、気の遠くなるような手続きが待ち受ける。
ただし、共有持ち分は他の共有者に移転する形で放棄することができる。
他の共有者全員に対して財産を特定して上で共有持ち分を放棄するという旨の通知を送り持ち分を他の共有者に移転する登記をすればいい。
他の共有者の同意を得る必要はなく、放棄された持ち分は他の共有者が所有する共有持ち分の割合に従って他の共有者たちに帰属することになる。

週刊エコノミスト2019.7.9より

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