こんなときどうする?空き家対策法 マンションの空き家・空き家を相続放棄したい


マンションの空き家

マンションの空き家は、戸建ての空き家より課題が多い。
1戸の住居とはいえ、区分所有権に過ぎず、建築全体の処分や維持管理方策を自身だけでは決められないからだ。
外壁やエレベーターなどの共有部分も資産価値に大きく影響するが、その交換を伴う大規模修繕には区分所有者の4分の3、軽微な修繕にも過半数の同意が必要だ。

仮に管理が行き届いていたとしても、民泊や転賃での活用を禁止している物件が多い。
マンションの空き家を所有すれば管理費や修繕積立金などの負担も生じる。
空き家のまま放置しておくことはマンション全体の資産価値を落とすことにもつながりかねない。
できるだけ早い処分を検討し処分までの間は管理組合を適正に運営させて修繕積立金を確保し、住民とのコミュニケーションを密にとることが必要になる。
そもそも、築年数が経過しているマンションの空き家ほど相続を回避することを進めたい。

空き家を相続放棄したい

空き家をリスク回避するために、相続しないことは有効手段ではある。
しかし、親の預貯金だけでは相続して、家だけは相続破棄ということは認められない。
相続するか否かの対象は、債権・債務を含めたすべての財産だ。もし相続破棄をしたいのならば、金融資産を相続できない短所と空き家を相続しない事の長所を比較することが必要だ。
そのうえで、相続発生から3カ月以内に家庭裁判所で手続きをする。
そのためにも、親は子に対して、生前、もっと言えば認知症などで意思表示ができなくなる前に、どのような財産をどの程度持っているのか、しっかり示しておくことが必要だろう。
相続などでいったん家を所有してしまえば、ケース3の共有持ち分の放棄を除いて所有権を放棄することは事実上困難だ。
相続の際には相続人側も財産を相続すべきかどうかの見極めが必要である。

週刊エコノミスト2019.7.9より

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